病院へ留学だ

妙齢の女子たちよ、自分の身体に目を向けるのを忘れてはいけない。そして毎日を機嫌よく生きよう。

画像診断の衝撃 ー MRIで知る、腫瘍の位置と立体感

<本日のテーマ>
エコーとMRIでわかること

年に一度の法定健康診断(会社や区でやる健康診断)は10月に受けていた。

そのとき大腸がんや肺がんなどの指標のひとつになる代表的な腫瘍マーカーCEAも血液検査の項目に含めた。しかし悪性リンパ腫という血液がんは、それでは見つからない。10月の時点では、健康だと思っていた。

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ではどうして見つかったのか。すべては画像検査だ。1月半ば、腹の上が詰まったような感覚と、食べ始めてまもなく胃のあたりがポコポコいう症状を訴え、私はかかりつけ医を訪ねた。

驚いたことに、開口一番先生は言った。「9月に来たときと同じことを言ってるね」。 

言われて初めて、私は9月にもなんだか消化器が弱っていて、背中が痛い感じがあり、かかりつけ医に来ていたことを思いだした。喉元過ぎれば熱さを忘れる。ちなみに先生は内科のなかでも消化器、肝臓が専門である。

そこで先生は、9月に疑わなかった何かを感じたのであろう。腹部触診をして「左下腹部が硬いね、上の方も硬いかもしれない」と言い、「すぐにエコーをやりましょう」という話になった。

リアルタイムで画像が見えるエコー検査

エコー検査は、身体の外から体内を見ていく超音波検査だ。見たい場所の皮膚の表面にジェルを塗り、プローブと呼ばれる聴診器のようなものをコロコロ回して、中の状態を白黒画面に映し出す。

すると、丸くて白いものが画面上に現れた。まずは下腹部に6cmくらいの腫瘍。これは以前からある子宮筋腫だ。そしてもうひとつ、10cmくらいの腫瘍が見えた。

そこからの対応は早い。

近隣の放射線診断専門病院に連絡を入れ、MRI検査のアポイントを取り、午後には即検査。これは地の利があった。この放射線クリニックは、私にとって国民健康保険時代に区の検診で毎年利用していた馴染みの病院だったからだ。

エコー検査とMRI検査の違いとは?

エコー検査は、妊婦さんのお腹の中にいる胎児を見るときにも使われる通り、リアルタイムで腫瘍の存在や心臓などの動きがわかる。しかし、画像はぼやっとしていて、素人の目視でそこから得られる情報は限定的でもある。

一方MRIは、強い磁場と電波の組み合わせで体の断層画像を撮影するもので、縦軸と横軸の両方が一度に撮影できる。また、骨や空気による画像への影響がなく、患者目線だと、以下のような印象を受ける。

①造影剤を使わないので気が楽
②(それほど気にしてはいないが)X線による被ばくがない
③時間が長め(20~60分)

MRI脳ドックでよく用いられるが、消化器系だと肝臓、胆嚢、脾臓の腫瘍性病変の撮影などにも使われるようだ。

jp.medical.canon

撮影はドーム型の機器で行われる。開始されるとガー!ピー!となかなか強烈な音を発するのだが、さすが専門病院。撮影前にクラシック音楽が流れるイヤホンを渡され、まあまあリラックスした気持ちで横たわることができた。

時間は30分くらいだろうか。しかし体感的にはそれより長い印象を受けた。そして実際、長かった。なぜなら放射線技師たちは、かかりつけ医に指定された撮影部位よりも広範囲の撮影をしてくれていたからだ。

「実は撮影指定部位が骨盤MRIだったのですが、腹部のほうに何かあるように見えて、技師が腹部まで撮影したんです。腹部に、20cmくらいの腫瘍があります。これがなにかは今はわかりません。主治医にこの画像を渡して、精密検査をしてもらってくださいね」

でてきた画像を見て、思わず目を疑った。

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腹部MRIの結果。謎にでかいものがそこにあった。

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腹部MRIその2。左下腹部が少し出っ張っていたのは、子宮筋腫ではなくこれだった。

身体の側面を映した画像には、腹の部分に塗り潰されたようなエリアがある。断面を見ると、腹部全体を異様に大きなものが占拠していた。しかし、これがなんだかわからない。何かが肥大したのか、それとも新たにできているのか。

時は週末の土曜日。次回は、週明け早々かかりつけ医を訪れ、大病院を紹介されるまでの話を書きたい。そこにはコロナの影響があった。